statement
私の制作におけるテーマは「自分」です。
私は自分の存在に半信半疑で、自分のことなのに人ごとのように感じる時があります。
外見的・身体的特徴として服装や髪型を始め、仕草や言動に態度などの他者が得られる表層的な情報から形成される私のイメージに信憑性はなく本質的な部分を捉えることは難しく思えます。なぜならそれは時間や状況の変化に大きく左右される上に、断片的なものでしかなく操作することが可能なものだからです。
では表層的ではなく、私が私に関与せず(私が私を操作せず)に私を私と確立してくれるものは何なのでしょうか。
私たちは習慣と言っていいほど毎日どこでも人を見ています。
その人が何を考え、行動しているのか。想像します。
それは私が私のことを考えるうえでとても大切なことだと思います。
どこかの誰かの何気ない行動と私の行動は無関係なようで実は繋がっていると思うからです。
私たちをつなぐものは何なのか?つながっていることで何が姿を表し、何が消えていくのか。
そこから私は私自身を紐解く試みをしています。
これまではストレートにカメラを自身に向け撮影する手法で自分と向き合う試みをしてきましたが、
近年はアプローチを変えて、私と世界(他者)を繋ぐ素材や記号的なものを探し、
そこに私の痕跡をかけ合わせることで何気ないものから特別なものに変換しながら模索しています。
「自分とは何者か?」
自分と正面から向き合う場面は誰にでも一度は訪れる機会だと思います。
しかし結論づけることはなかなかできません。
答えが出せないまま、気づけば自身と向き合うことをやめて様々なことに自分の在り方を定着させます。
仕事や趣味、家族に友人や恋人、最近だとSNSの存在は欠かすことはできないでしょう。
他者との様々な関わりを通じて私たちは自分の存在意義を発見し、確立していくのだと思います。
私は探し、問い続けます。
自分が何者でどこに向かっているのか。
答えを導き出す経緯・過程には、見逃していることが多く含まれていると思います。
だから何度でも繰り返し再考します。